セラピストから、『セッションが失敗したらどうしましょう?』なんて 相談を受けることがあります。こういった質問を聞くたびになんて傲慢なんだろう?と思っています。なぜって、『私、失敗しないとで』も言うのでしょうか? 私の場合は経験値が相当ありますので、ほとんどのケースで失敗する事はありません。仮にうまくいかないにしても、その理由はもう最初からわかっています。それを新人のセラピストが同じようにすることはできません。
失敗したらどうしよう?なんて考える時はこう考えてください。何事も100%うまくいくと言う事はありません。特に人の気持ちに対して介入する行為ですから、絶対に成功すると言うのは相当な経験値をつまないと無理でしょう。だから、最初から失敗することも想定しておけばいいだけなんです。 そうすれば、だめな時はどうすればいいかが明確なので、クライアントに迷惑をかけることもなく、自分の負担も軽く対処できるようになります。
どんな技術を持ったお医者さんでも、100%助けると言うことはできません。全力を尽くすそれは大事なことですが、できなかったらどうしよう?なんて思うのは傲慢です。あなたができる事は、全力でサポートすると言うことそれだけです。それができていれば、セラピストとしてはまずまずです。
それはそもそもセラピー自体が仕事であって、上の修行では無いからです。人間にはできる範囲があり、成長過程のセラピストが全てできるとはとても考えにくいです。また、あらゆる行動には絶対もありませんし、失敗することもあり得ます。それを乗り越え、その次、2度目にはうまくやる、そうできれば上々です。 セラピストも成長する人間です。その成長と言うことを頭に入れてください。失敗なくして、成長はありません。だから、全力で対処して、うまくいかなかった時はそれはそれで仕方がありません。
だからといって、自分の技量をはるかに超えるような問題を抱えている人の相手をする事はお勧めしません。いきなりそういう子難しい人に当たっても、成長と言うよりは、敗北に近い感覚を受け取ってしまいます。日々できる範囲からちょっとだけ外れた人を相手にして、 徐々に徐々に自分のできる範囲を広げていくのが下手な選択肢です。
私が誰でも失敗するんだよ、と言ったセラピストは、随分気が楽になったようで、一生懸命やってその対価を受け取ると言うビジネスを展開しています。全て成功させると言う事はできないけれど、全力でサポートをすることによってお客さんに選ばれています。
失敗したらどうしよう?なんて考える方は、物事には失敗がつきものであって、自分のできるベストを尽くせば、それでいいんだと言うことを覚えておいてください。あなたは神様ではありません。できないこともあります。それでもあなたを頼ってくる人をサポートし、より良い状態に導いてあげてください。